パソコンツートーンとパソコンスペアナでIMD測定
Bunshiro Tamura / JA5FNX
はじめに
那須次郎さんがツートーンジェネレータとスペアナでIMDを測られていましたので僕も計ってみたいと思ったのですが・・・・思うのは簡単に出来るのですが・・・・実行するとなると良いスペアナは無いしツートーンジェネレータは古いものしかないのであら困ったという事でどうし様かな・・・・と思ったのであります。
なんやかんやといっても
なんやかんや言っても結局はパソコンでやっつけ様と考えている僕が何と無く嫌ですがまぁ貧乏なFNXとしてはパソコン・フリーウェアと簡単なハードウェアで出来るのがなんともうれしい!できたらねっ。
IMDって?ツートーンって?と思って勉強した文献
ハムジャーナル#7 知識と設備のグレード・アップ,SSB送信機の奇数次高調波
JA4PC 高原 剛
ハムジャーナル#7 2トーン発振器の製作,SSB送信機の動作状況を知るために必要
JA4CQQ 谷口 基信
ハムジャーナル#5 受信機の性能の再評価について,混変調と相互変調はなぜ起こるのか
宇井 肇
ハムジャーナル#19ダイナミック・レンジとインターセプト点,ふたたび受信機の相互変調について
宇井 肇
ハムジャーナル#24 みたび“受信機の相互変調”について,読者からのご質問に答えて
宇井 肇
パソコンスペアナで高周波のIMDを測定
Webを探索すると時すでにOMの皆様が色々やっておられるようです。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~jh2clv/test.htm
http://www5a.biglobe.ne.jp/~jh2clv/pdf/gu74b6mamp.pdf
http://www5a.biglobe.ne.jp/~jh2clv/ic-756pbt.htm
http://think.yacc.co.jp/~uarc/hizumi.pdf
http://koti.netplaza.fi/~jonverro/sb_netm.htm
中でもOH8ROさんとJA1VCWさんの記事は大変参考になりました。しかし、物分りの良いFNXですので、ちょっとやそっと教えてもらったぐらいでは理解できませんのでぼちぼちやってみないといけないかなと思っています。
ツートーンジェネレータ
これもWebで検索してみましたが多くはありませんでした。以前、JA9TTTさまが公開されていた物が良いのではと思いますが今は公開されていないようです。
発信器としての性能はトランジスタ技術1978年10月号283ページに掲載されている黒田 徹様作の「低歪率 正弦波発振器の製作,高性能化するオーディオ機器に欠かせない!」が良いと思われますが二つ作成して、非常に綺麗な二つの信号をIMDが生じない様に簡単にミックスする技術が僕にはなさそうです。高性能なスペアナをお持ちの方は是非挑戦してみてください。パソコンで発生させるツートーンも上記で紹介したサイトで紹介されています。しかし、どれ位の実力があるかわからないのでこれもぼちぼちやってみようと思います。サボれるのはツートーンもパソコンだよなー!なぁーんちゃって!
サウンドカード
SC-PANFIの時もサウンドカード命と書いていましたが今回も非常に大切なものです。SC-PANFIのマニュアルから抜粋します。一般的にカードの性能を評価するのはオーディオ関連の測定器なしでは大変なのですがソフトウェア技術の進歩でRightMark社 http://audio.rightmark.org/ のRMAAと言うフリーウェアを使う事によって簡単に実測した特性を表示できます。表示が日本語になったRMAAも在るようですが正式にリリースした物では無いようです。基準は周波数特性がサンプリングの二分の一付近までフラットで歪が少ない事ですが何台かテストすると良い悪いが判ってくるでしょう。僕のサウンドカードの結果はこちらのサイトにあります。https://以前のサイト/modules/sections/index.php?op=listarticles&secid=2
パソコンスペアナ
録音も出来る 高速リアルタイム スペクトラムアナライザ (ASIO 対応)WaveSpectra
http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/index.html というと言うフリーウェアを使用させて頂きました。色々な物を試してみましたがこのソフト以上の物を探す事は出来ませんでした。
パソコンツートーンジェネレータ
CD-DA やオーディオのチェック用 テスト信号発生ソフト (ASIO対応)
WaveGene http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/index.html
この二つのソフトウェアはefuさんと言う方がおつくりになったソフトウェアです。ソフトウェアの出来栄えは勿論ですが感謝と同時に一人の方がおつくりになられたようなのでビックリ仰天と言う感じです。
パソコンスペアナとパソコンツートーンジェネレータの実力チェック
たいそうなタイトルを付けましたがこの測定の結果はあくまでもクリエイティブ社のSB Live!と言うサウンドカードでの結果ですので今流の素晴らしいカードをお使いの場合は、もっと良い結果が出ると思われます。
機材
パソコン NEC PC-VL100/1 メモリ 512MB
AMD Duron(TM) 900MHz VIA社製 VT8364(AGP)
OS Windows XP プロフェッショナル
サウンドカード クリエイティブ社のSB Live!
接続ケーブル 長さ2m 材質 OFC らしい??
測定
測定といってもサウンドカードのライン入出力を接続ケーブルでジャンパして二つのソフトウェアを動作させるだけです。信号レベルはボリュームコントロールで入出力レベルを調整して飽和しない点に設定してください。再生ボタンと録音ボタンを押すと測定開始
各ソフトウェアの設定は次の通りです。
WaveGene
Wave2 サイン波 800Hz -10dB 0% L
Wave3 サイン波 1000Hz -10dB 0% L
WaveSpectra
設定 Spectrum 横軸 リニア 300Hz 1700Hz
FFT
サンプルデータ数 16384 (多いほうが良いがCPUパワーとの兼合い)
WaveGeneの画面
WaveSpectraの画面 適切な入出力レベルの場合(こんなSSBが出したいな!)
過入力の状態(わざと歪の多い状態を表示しています)
グラフィック画面はPDF版を御覧下さいませ。
https://bunshiro.love/uploads/IMD-FCSCTTGSA-01.pdf
さて!
少しの実験ですが雰囲気がつかめてきました。高度な外部の測定器を持っていないので「スペアナ部分」と「ツートーン」個別の性能はわかりませんがオーバーオールで-95dB位は取れているので-60dB位は十分計れそうです。
これからの課題
RFを計測するためにはRFをAFに変換するコンバータ?受信機?を作らないといけません、これに関してはOH8ROさんの回路とデバイスが僕の思っていた事と同じ雰囲気なので同じような感じで作ろうと思っています。ミクサ・ポストアンプの問題もありますが、特に興味があるのは局発の純度によっての測定精度変化とか局発に方形波を用いて一発アマチュアバンドカバーとかのデータを取ってみたいと思っています。さらにはパソコン/サウンドカードとDUT(Device Under Test, 被試験装置)のグラウンド同士のアイソレーションを取らないとノイズが入りそうだし、さらにはEMI/EMCの対策をきっちりやらないと何を計っているのか判らなくなりそうです。TVIやAMPI対策の勉強になりそうです。
FNXはスローペースでの実験しか出来ませんが、皆様、是非、定量的なデータを残していただき役に立つプロジェクトになったら良いと思っています。
Many Thanks
JA6XKQ 那須次郎 JA9BHB
田村文史郎 ja5fnx@dokidoki.ne.jp
PDF版は https://bunshiro.love/uploads/IMD-FCSCTTGSA-01.pdf