FNX-PAN:無線機からSDRへのtap思考2

無線機からtapを出してSDRに繋ぐお話の続きを少し。

SDRでの綺麗な波形観測、綺麗な受信を行うためにはSDRへの信号を少々管理する必要があります。

何を管理するのかと言うと。

1.微弱な信号を受信しようとした時のSDRへの信号レベル。SDRの雑音指数が無視できる信号レベルがあるか?

  無線機で受信できるであろう、例えばR5S1の信号をtapで取り出して接続したSDRでもちゃんとR5S1で受信できなければなりません。
  無線機からtapを取り出す際にゼロロスで取り出すことが出来れば通常は問題ありません。
  しかし、tapを取り出した無線機への送受信性能への影響を最小限に抑える必要がありますのでかなりアッテネーション(疎結合)して接続する必要がありますのでSDRへの信号が弱くなります。
  海外のWeb記事ではポストアンプを通してSDRに繋ぐ記事を見かけます。
  ルーフィングフィルタ後のポストアンプの後で取り出す場合はかなり信号レベルが大きいですから問題はあまりないと思いますがルーフィングフィルタ直前で取り出す場合はあまりレベルに余裕がないと思います。

2.夜間の40mバンド等の様な強電界電波密集地帯でSDRが耐えられる通過帯域になっているか?

  R820Tドングルのサンプリング周波数は最大3.2MHz~2.4MHzです。
  tapを取り出す前の帯域が3.2MHz以上あれば無線機のダイアル周波数+-最大1.6MHzのスペクトラムが表示できます。
  例えば、高さがちゃんとあるフルサイズ同等以上のゲインのあるアンテナを繋いだ無線機から取り出した帯域が3MHz以上の帯域がありかつ(1.)の要項を満たしている信号をR820Tチューナ等の安価なSDRに接続して受信した場合、色々な信号が重なり合って俗にいう過入力混変調の状態で強力な信号は受信できますが微弱な遠距離の電波はノイズビートにまみれて受信できない状態がおきます。

 SDRの入力される信号の量は 通過帯域の幅の中に存在する電波の数 と 一つ一つの電波の強さ であらわされます。

 アンテナ大きい、電波密集高電界強、幅広い、(1.)のため信号レベル大きい と言う条件のためSDRは悪条件にさらされるわけです。
  夜間の40mバンド等の様な強電界電波密集地帯でR820TドングルをSDRに使用する場合50kHz位の通過帯域が限度ではないかと思います。
  使えるか使えないかは使う人の気分やアンテナやロケーションだと思いますが親機である無線機と同等位では聞こえないと困りますからね。

  いくら頑張ってもR820T+RTL2832Uは8ビット+プロセッシング・ゲインで65dB位しかないダイナミックレンジもどき(実測)ですから大きな期待はいけませんが何度も書いていますが結構使えます。

田村文史郎/JA5FNX

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